車検にかかる費用の相場はいくら?
内訳や安く済ませる方法も解説
車検費用は車種や車の状態、車検を依頼する場所によって大きく異なります。どれくらいの金額になるかは見積もりを出してもらうか、精算するときまで知ることができません。しかし、車検の内訳と相場を知っていれば、車検業者が選びやすくなるだけでなく費用を抑える方法もわかります。また、金額に対して適正な整備がされているかの判断もできるようになります。
この記事では、車検費用の内訳や相場をご紹介するとともに車検費用を安く抑えるためのコツも解説します。
1.一般的な車検にかかる費用相場
車検にかかる費用は、車の重さや大きさに応じて課される法定費用、車検を依頼する店舗によって変わる車検基本料金、そして整備費用などの合計です。車検費用は車種や車検場所によって変動し、厳密に相場の費用感を算出することはできませんが、車の状態によって変動がある整備費用を除いたおおよその車検費用であれば事前に算出できます。
まずは車のサイズごとの車検費用の相場を見ていきましょう。
大型乗用車
ミドルクラスセダンやミドルクラスSUV、ミニバンなど、車両重量1.5t〜2tの車は大型自動車にあたります。車重が重いと重量税が高く、車検費用も高くなりがちですが、そのぶんエコカー減税の恩恵が受けられます。また、部品代も高額でオイルなど消耗品の消費量も多いため、整備費用が高くなる傾向にあります。
重量区分 | 1.5〜2t |
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重量税(2年)※エコカー減税なし | 3万2,800円 |
自賠責保険料(25ヵ月) | 1万8,160円 |
印紙代+技術管理手数料(400円) | 1,600〜2,200円 |
車検基本料金 | 2万〜7万円 |
概算合計 | 7万5,010〜12万5,610円 |
中型乗用車
コンパクトSUVや大きめのコンパクトカーなど、車両重量1t〜1.5tの車は中型乗用車に該当します。PHEVやクリーンディーゼルなど重量税が安くなるエコカー減税対象車も多いため、新車であれば車検費用が安く済む場合もあります。
重量区分 | 1〜1.5t |
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重量税(2年)※エコカー減税なし | 2万4,600円 |
自賠責保険料(25ヵ月) | 1万8,160円 |
印紙代+技術管理手数料(400円) | 1,600〜2,100円 |
車検基本料金 | 2万〜6万円 |
概算合計 | 6万6,810〜11万5,510円 |
小型乗用車
コンパクトカーの中でも、車重が1t以下の車種は小型乗用車に分類されます。小型乗用車は重量税が安価であるうえ、整備費用や部品代も安く抑えられます。車検費用のほか、車重の軽さによる燃費性能も魅力です。
重量区分 | 〜1t |
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重量税(2年)※エコカー減税なし | 1万6,400円 |
自賠責保険料(25ヵ月) | 1万8,160円 |
印紙代+技術管理手数料(400円) | 1,600〜2,100円 |
車検基本料金 | 2万〜6万 |
概算合計 | 5万8,610〜〜9万9,110円 |
軽自動車
全長3.4×全幅1.48×全高2m以下のボディサイズに排気量660cc以下のエンジンを搭載した車が軽自動車です。重量税は車重に関わらず一律で、普通車に比べて車検費用は非常に安価です。部品代や整備費用も抑えられるため、軽自動車は最も車検費用を抑えられる車種といえるでしょう。
重量区分 | なし |
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重量税(2年)※エコカー減税なし | 6,600円 |
自賠責保険料(25ヵ月) | 1万8,040円 |
印紙代+技術管理手数料(400円) | 1,500〜1,800円 |
車検基本料金 | 2万〜5万円 |
概算合計 | 4万8,410〜7万8,710円 |
なお、軽自動車にかかる車検の費用については、こちらの記事で解説していますので、ご参考ください。
「軽自動車の車検費用はいくら?相場や安い理由も解説」
2.初回と2回目以降の車検費用は同じ?
新車購入後の初回車検は3年で、法定費用は3年分を納める必要があります。2回目以降の車検は2年ごとになりますので、車検費用の総額は初回より安くなります。ただし、部品の消耗などがあれば整備する必要があるため、車の状態によっては部品代や整備費用が上乗せされます。
車検回数はあくまで新車登録後から数えるため、登録後3年が経過した中古車の車検はすべて2年ごとになります。
3.輸入車は車検費用が高くなる?
輸入車であっても法定費用は国産車と変わりません。ただし、国産車に比べて部品代が高い傾向にあることや、整備の手間がかかることから、車検費用は高くなりがちです。工場によっては十分な整備ができないことを理由に車検を断られたり、輸入車に対して特別料金が上乗せされたりする場合もあります。特に希少な輸入車は海外から部品を取り寄せるケースもあるため、整備に長い期間を要し、代車費用もかさむ恐れがあります。
4.車検費用の内訳
車検費用は「税金などの法定費用+車検基本料金+整備費用および部品代」を合わせた金額です。業者によっては代車費用などが追加されることもあります。それぞれの費用を詳しく解説します。
法定費用
法定費用とは、車検手続きで必須となる「自動車重量税・自賠責保険料・印紙代」を含むものです。整備費用や部品代などとは違ってどこで車検を受けたとしても車種に応じた定額を支払う必要があります。
重量税
自動車重量税は重い車ほど課税額が増えていく税金であり、車重が0.5t増えるごとに金額区分が1段階引き上げられます。電気自動車やクリーンディーゼル車、ハイブリッドカーなどの環境に配慮した車は、税金が免税または減額されるエコカー減税対象車となります。なお、新車登録後13年および18年が経過した車は、環境に負荷を与えるものとして税金が高くなります。
重量税については、こちらの記事でも詳しく解説しています。
「車検時の重量税とは?税額一覧表と計算方法を紹介」
自賠責保険料
自賠責保険は車で起こした人身事故を補償する強制加入保険です。公道を走行するすべての車に加入が義務づけられており、車検時は次回車検までの保険料を支払わなくてはなりません。無保険期間ができないよう、継続車検では25ヵ月で契約されるのが一般的です。自賠責保険料は数年おきに見直されるため、額面が変動することもあります。
印紙代
印紙代は車検手続きの手数料として国へ納める収入印紙の購入費用です。車種によって数百円ほどの差があり、大きな車ほど高くなります。2021年10月からは技術情報管理手数料としてさらに400円が車検費用に追加されるようになりました。
なお、車検の法定費用については、こちらの記事で解説していますので、ご参考ください。
「車検の法定費用はいくら?内訳や車種別の金額目安、支払い方法を解説」
車検基本料金
車検基本料金には、主に車の不具合をチェックする24ヵ月ごとの定期点検料や、車検に通るかどうか判断する測定検査料、事務手数料を含みます。多くの場合、車の重さや大きさに応じて段階的に価格が引き上がります。ただし、値段や内訳は車検を依頼する業者によって大きく異なります。なかには車検基本料金として車検代行手数料や代車費用が含まれる場合もあり、店舗によって価格に大きな差が生じます。
ディーラー
新車を販売するディーラーでの車検は、メーカーの看板を掲げているだけあって自社の車に精通していることが特徴です。丁寧な点検で安心感がある反面、基本料金は高くなりがちで相場はおよそ4万円からです。また、修理には原則として高品質な純正部品を使用するため、部品代も高くなる傾向にあります。
大手中古車販売店
大手中古車販売店の車検基本料金は、およそ1万7,000円からと比較的安いことが魅力です。さらに、さまざまな種類の中古車を扱うネットワークを活かして交換部品を安く仕入れることができるため、修理が生じても費用を安価に抑えられます。全国各地に店舗があるケースも多いため、引っ越しなどで新しい街へ移ったとしても安定したサービスを受けることができます。
車検専門店
車検専門店は車検整備と手続きに特化した整備工場です。作業の早さと価格の安さが特徴であり、車に不具合などがなければ数時間から1日、長くとも数日程度で車検が完了します。基本料金はおよそ1万4,000円からと安価ではあるものの、店によって整備技術やサービスの品質が大きく異なり、技術の見極めは難しいでしょう。
ガソリンスタンド
ガソリンスタンド車検の基本料金は相場が1万4,000円からと安価で、給油ついでに車検の見積もりや予約ができる手軽さが特徴です。しかし、多くのガソリンスタンドは自社で工場を持たず、陸運局に持ち込んで検査を行うため、車検に時間がかかる傾向にあります。
整備工場
整備工場の基本料金はおよそ3万5,000円からが相場です。ディーラー車検よりやや安価であると同時に技術力が高く安心感があります。しかし、土日などは休業の場合が多いため利用しづらいケースがあります。
整備費用
車検時には、エンジンオイルやブレーキフルード、冷却水など、定期交換が必要な油脂類も合わせて交換するのが一般的です。また、車に不具合が見つかった場合は修理が必要となりますので、法定費用と車検基本料金の他に部品代と整備費用がかかります。
予想外の出費となりやすいのは、ゴムでできたドライブシャフトブーツからのグリス漏れです。その他のゴムブーツも、裂けや割れなどがあると1万円〜2万円程度の交換費用がかかります。また、エンジンや駆動系のオイル漏れも修理が必要です。パッキン交換で直る場合は数千円で済みますが、手間のかかる箇所からのオイル漏れは数万円かかる場合もあります。
交換品目 | 重量区分 |
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エンジンオイル | 部品代・交換費用 |
ブレーキフルード | 3,000〜6,000円程度 |
冷却水(LLC) | 5,000円程度 |
補機バッテリー | 4,000〜5,000円程度 |
デフ/トランスミッションオイル・ATフルード | 5,000〜2万円程度 |
ブーツ類 | 1万〜2万円 |
ブレーキパッド | 1万〜2万円 |
交換品目 | 1万〜2万円 |
※金額は参考価格です。内容によって費用は異なる場合がございます。
5.車検費用の支払い方法
車検費用のうち法定費用は、国に納められるため現金払いを求められる場合がほとんどです。車検基本料金や部品代、整備料金は分割払いやクレジットカード払いも可能ですが、支払い方法は店によって異なりますので事前に確認をしておくことをおすすめします。
車検費用の分割払いに関しては、以下の記事で詳しく解説しています。ぜひ併せてご覧ください。
「車検費用は分割払いできる?支払い方法やローン審査通過のポイントも解説」
6.車検を安く済ませる方法
車検にはまとまった金額が必要になるため、できるだけ安く抑えたいものです。コツさえ知っていれば車検を安く済ませることもできます。そのコツを4点ご紹介します。
複数業者に見積もりをとって安いところに依頼する
法定費用は車種に応じた固定額ですが、車検基本料金と整備費用は依頼する業者によって大きく異なります。また、地方運輸局長の指定工場か認証工場かでも費用がわずかに異なりますので、車検前に複数の業者から見積もりを取って比較検討すれば費用を安くできます。
以下の記事では、車検見積もり時に気をつけたいことやマナーなどを詳しく解説しています。
車検の見積もりをとるには?最適な時期・場所・費用、依頼先を選ぶポイント
基本的な整備のみを依頼する
国が定める点検項目で問題がなければ、車検には通ります。そのため、整備を必要最低限にすれば車検費用も抑えることが可能です。ただし、車検には定期メンテナンスという意味合いもあるため、整備を省けばそのぶん故障のリスクを抱えることになります。走行に直接影響のある整備はしっかりと行い、洗車や車内清掃など走行に無関係なサービスを削ることで、費用を安く抑えられる場合もあります。
普段からメンテナンスをしておく
日常的に点検整備をしておけば車検のタイミングでまとめて整備する必要がなくなり、車検費用を抑えられます。日常の運転での安全を確保するためにも、日頃のメンテナンスは欠かさないようにしましょう。
思い切って車を買い替える
重量税が増額される古い車や、車検を通すのに過大な修理代がかかる車は買い替えを検討することもおすすめします。車検前のタイミングでより車検費用が抑えられる車に乗り換えれば、一回分の車検費用を省けるほか、その後数年間も安く済みます。
7.まとめ
車検費用の相場は車種によってある程度決まっていますが、費用やその内訳は業者によって大きく異なります。満足のいく車検を受けるためには、業者から相見積もりをとって費用を比較するだけでなく、過剰な整備が行われていないか、アフターケアに対応してくれるかどうかなどもチェックすることをおすすめします。
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