車検を受けるためには2つの税金を納める必要があることをご存知ですか?
一つは、車検の前の5月までに支払っておく必要がある「自動車税」と、車検の際に発生する「重量税」です。特に自動車税を滞納すると車検そのものが受けられなくなるため、毎年忘れずに納付する必要があります。
ここでは、車検でかかる税金のそれぞれの特徴と金額、車を購入する前に考えたい車検の税金を抑えるためのポイントを解説します。
1.車検には2つの税金がかかる
車検には、主に2つの税金がかかります。一つ目が、車検前にかかる税金である「自動車税」、もう一つが、車検時にかかる「自動車重量税」です。あらかじめ自動車税を支払っていなければ、そもそも車検を受けることができません。
自動車税は、毎年4月1日の時点で自動車を所有している方に課せられる都道府県税です。軽自動車には、軽自動車税という市町村税が課せられます。
本来、自動車税や軽自動車税は5月末までに(※一部地域では6月末までに)納める必要があり、支払ったことの証明として納税証明書がもらえます。車検は納税証明書を提示して初めて点検を受けられるため、滞納することのないようにしましょう。
2.自動車税とは?
では、自動車税についてより詳しく見ていきましょう。
車検前にかかる税金
自動車税は車検前に支払っておく必要がある税金です。4月1日時点で車を所有している方全員に納税の義務があります。車に乗っていなくても、車の所有者として登録されていれば支払う必要があるため、郵送された自動車税納付通知書が届いたら支払い手続きを忘れないように気を付けましょう。納付通知書は5月上旬頃(※地域によって差があります)までに郵送で届けられます。納付書での支払いはコンビニや銀行など複数の場所でできます。
車検は納税証明書を提示しないと点検を受けられないため、滞納することのないようにしましょう。
車検納税証明書の詳細については以下のページでも解説しています。ぜひ併せてご覧ください。
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「車検には自動車納税証明書が必要!提示不要な条件や紛失時の再発行のやり方を解説」
普通乗用車は自動車税がかかる
自動車税は、普通乗用車か軽自動車かによって名称も支払う税額も異なります。「自動車税」と呼ばれるのは普通乗用車にかけられる税金のことで、購入時期と総排気量ごとの自動車税は次のとおりです。
総排気量 |
2019年9月30日以前の登録 |
2019年10月1日以降の登録 |
1,000cc以下 |
29,500円 |
25,000円 |
1,000cc超から1,500cc以下 |
34,500円 |
30,500円 |
1,500cc超から2,000cc以下 |
39,500円 |
36,000円 |
2,000cc超から2,500cc以下 |
45,000円 |
43,500円 |
2,500cc超から3,000cc以下 |
51,000円 |
50,000円 |
3,000cc超から3,500cc以下 |
58,000円 |
57,000円 |
3,500cc超から4,000cc以下 |
66,500円 |
65,500円 |
4,000cc超から4,500cc以下 |
76,500円 |
75,500円 |
4,500cc超から6,000cc以下 |
88,000円 |
87,000円 |
6,000cc超 |
111,000円 |
110,000円 |
なお、自動車の新規登録から11年以上の時間が経過しているディーゼル車と、13年以上経過しているガソリン車、およびLPガス車は追加の自動車税があります。自動車税は13年を超えることで上記よりも15%ほど高くなります。
軽自動車は軽自動車税がかかる
軽自動車には、自動車税ではなく軽自動車税がかかります。金額は一律1万800円です。2019年9月までに購入した古い年式の車も、2019年10月以降購入の比較的新しい軽自動車も支払う金額は同じです。ただし、普通乗用車などの自動車税と同じく、登録から年数が経過している場合はプラスで税金が発生します。登録から11年経過しているディーゼル車、13年経過しているガソリン車、LPガス車の軽自動車税は20%程度の税金が追加で課せられます。
3.重量税とは?
重量税は正式には「自動車重量税」という名称で、自動車を新規登録する際や車検の際に支払う税金です。支払いの際は、手数料納付書に重量税印紙を貼付けます。
重量税の特徴は、車検証の有効期間である数年分をまとめて支払うことです。
- 車両の重量
- 車種
- 新車登録からの経過年数
- エコカー減税
上記の合計で支払う額が決まります。
では、重量税についてさらに詳しく見ていきましょう。
車検時にかかる税金
重量税は一年ごとに発生する税金ですが、車検証の有効期間に合わせて年数分をまとめて支払います。車検は、自家用乗用車も軽自動車も新車登録から3年後に車検が行われ、それ以降は2年ごとの実施が義務付けられています。つまり、初回は3年分、次回以降は2年分の重量税を車検のたびに支払うことになります。自家用車の場合は重さ0.5トン単位で税額が異なり、新車の登録から13年が経過していることでも税額が上がります。さらに、18年以上経過した車も税額が上がるため、年式の古い中古車を購入する際は、登録から何年が経過しているのか、そして何年後に税額がアップするのかを事前に把握することをおすすめします。
なお、重量税はエコカー減税対象車かどうかでも大きく異なります。
車種ごとに税金額が決まっている
自動車重量税は車種ごとに税額が決まっています。自家用乗用車は2年ごとの車検期間ですが、貨物車の場合は1年単位で車検を実施します。軽自動車は車両重量別の税額の違いはありません。
また、新車登録から3年目の初回車検時と2年ごとの車検では税額が異なります。以下の表をご参考ください。
<新規登録から3年目の自家用車の初回車検※エコカー減税対象外>
車両重量 |
税額 |
0.5t以下 |
12,300円 |
~1t以下 |
24,600円 |
~1.5t以下 |
36,900円 |
~2t以下 |
49,200円 |
~2.5t以下 |
61,500円 |
~3t以下 |
73,800円 |
※定員10人以下の自家用乗用車
<2年ごとの自家用車の車検※エコカー減税対象外>
|
13年未満 |
13年経過 |
18年経過 |
0.5t以下 |
8,200円 |
11,400円 |
12,600円 |
~1t以下 |
16,400円 |
22,800円 |
25,200円 |
~1.5t以下 |
24,600円 |
34,200円 |
37,800円 |
~2t以下 |
32,800円 |
45,600円 |
50,400円 |
~2.5t以下 |
41,000円 |
57,000円 |
63,000円 |
~3t以下 |
49,200円 |
68,400円 |
75,600円 |
※定員10人以下の自家用乗用車
- 初回車検3年目……9,900円(3年分で計算)
- 新規登録から13年未満……6,600円
- 新規登録から13年経過……8,200円
- 新規登録から18年経過……8,800円
軽自動車は、初回は一律で9,900円です。その後、13年未満、13年経過、18年経過による違いがあります。
なお、エコカー対象車であれば重量税は大幅に軽減されます。エコカー減税は2021年4月末まででしたが、2021年度税制改正によって2023年4月末まで延長されています。ただし、2021年5月以降は電気自動車、燃料電池自動車、プラグインハイブリッド自動車、天然ガス自動車は一律で免税措置となりますが、ガソリン自動車とハイブリッド自動車は、2030年度を目標とする新しい燃費基準の達成度が60%に届かないと減税措置を受けられないルールに変わっているため注意しましょう。
自動車の重量税に関しては以下の記事でも詳しく解説しています。ぜひ併せてご覧ください。
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「車検時の重量税とは?税額一覧表と計算方法を紹介」
4.車にかかる税金を抑えるポイント
次に、これから車の購入を検討されている方に向けて、税金を抑えるために意識したい2つのポイントをご紹介します。
重量税から購入する車を選ぶこと
軽自動車の場合、登録年数以外で重量税が変わることはありません。しかし、普通自動車は車両重量によって年間の重量税は異なります。新車を購入する際は、希望する車種がどれくらいの重量税なのかを調べたうえで、より税金を抑えたければ一回り軽量でコンパクトな車を選ぶと節税につながります。
また、中古車で注意したいのは登録年数の基準です。前述のとおり、13年を過ぎると重量税は15%アップ、18年を過ぎると20%ほどアップします。新車登録からの年数を計算し、いつから重量税が上がるのか、他の中古車などと比較してできるだけ重量税を抑えられる車がないかを調べてみましょう。
エコカー減税対象の車を選ぶこと
エコカー減税は、燃費や排ガス性能が優れており環境に優しいとみなされた車に対して重量税を減免する制度です。電気自動車、天然ガス自動車、燃料電池自動車、クリーンディーゼル乗用車など、環境に優しい基準を満たした車が対象です。高い水準で基準をクリアしていれば、最大の緩和措置として1回目の車検の免税のほか、2回目の車検も免税になる可能性があります。
<2021年4月30日まで登録した新車>
対象の車・基準達成率 |
初回 |
2回目 |
電気自動車等 |
免税 |
免税 |
2020年度基準 +90%達成 |
免税 |
免税 |
2020年度基準 +40%達成 |
免税 |
免税なし |
2020年度基準 +20%達成 |
50%の減税 |
免税なし |
2020年度基準達成 |
25%の減税 |
免税なし |
<2021年5月1日~2023年4月30日まで登録した新車>
対象の車・基準達成率 |
初回 |
2回目 |
電気自動車等 |
免税 |
免税 |
2030年度基準120%達成 |
免税 |
免税 |
2030年度基準達成 |
免税 |
免税なし |
2030年度基準90%達成 |
免税 |
免税なし |
2030年度基準75%達成 |
50%の減税 |
免税なし |
2030年度基準60%達成 |
25%の減税 |
免税なし |
他にも減税につながる制度はさまざまあります。税率10%になった2019年10月から導入された、新規登録車の自動車税が毎年減税になる「環境性能割」、購入した翌年の自動車税もしくは軽自動車税が軽減される「グリーン化特例」など、減税の対象になる車を選ぶことも税金を抑える方法の一つです。
5.まとめ
車検は安全にカーライフを送るための義務であり、車検を受けることは大切な愛車と命を守ることにつながります。しかし、その安心を得るためには、支払うべき税金をしっかりと納めておかなければなりません。
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