車検の保安基準は?適合・不適合の基準を徹底解説

車検に通るための鍵を握っているのが「保安基準」です。保安基準を把握せずメンテナンスをしていなかったりパーツを交換したりした場合には保安基準不適合となり、車検に通らない可能性があります。
本記事では、車検の保安基準や保安基準不適合となるケースも確認します。
1.車検の保安基準とは

車検に通るためには保安基準を満たしている必要があります。まずは、保安基準とは何かを確認しましょう。
保安基準とは
保安基準とは、車検の検査基準です。規定の基準のもと、車が安全に走行できるか、環境保全が図れているかなどが判断されます。
具体的には、動作の確認や部品の取り付け方、車体サイズ、排出ガスの基準などを確認します。一つでも基準を満たしていない場合は車検に通りません。
車検で検査する項目はこちらで紹介していますので、ご覧ください。
「法定24ヵ月点検とは?車検との違いや検査56項目一覧、費用目安を解説」
車検対応と保安基準適合の違い
車検対応と保安基準適合は実質同じものと認識して問題ありません。ただし、カー用品店には「車検対応品」「保安基準適合品」との表示のあるパーツが販売されていますが、前者は継続車検の場合に対応しているパーツ、後者は新車車検の場合も対応するパーツであるという違いがあります。
保安基準不適合になる場合
車検時、保安基準に不適合と判断される場合の主な原因は整備不良です。エンジンやブレーキに問題があったり、ランプ系統が点灯しなかったりといった不具合がある場合は、安全に車を走行できないと判断されます。
車を不正改造した場合も保安基準不適合となるため注意しましょう。不正をする気はなかったとしても、基準を満たさない改造がされていた場合には不正改造とみなされます。代表的な不正改造は、マフラーやエアロパーツなどの取り付け位置が正しくない場合です。仮に車検を通ったとしても、走行中に警察から検挙され、保安基準不適合と判断された場合は法律違反となってしまうため、十分な注意が必要です。
なお、不正改造をした車で走行すると道路運送車両法違反となり、6ヵ月以下の懲役または30万円以下の罰金が科せられます。検挙された場合には整備を行うよう指示がありますが、命令を受けてから15日以内に整備を実施しなかった場合、下記のようなさらに厳しい措置につながる可能性があるので注意しましょう。
- 最大6ヵ月の車の使用停止命令
- 車検証やナンバープレートの没収
- 50万円以下の罰金など
2.車検の保安基準で不適合になる場合
では、具体的に保安基準不適合となる場合を、以下2点のポイントから詳しく確認しておきましょう。
パーツの異常
パーツに異常があると安全な走行ができないため、保安基準不適合とされます。パーツの異常が見られやすいのは下記の5点です。
ヘッドライト
ヘッドライトは、球切れで点灯しない場合はもちろん、点灯しても明るさや色味が基準を満たしていない場合は保安基準適合とは認められません。ヘッドライトの色味は白色に限られ、検査は検査員の目視によって行われます。青い色味が強かったり黄ばんでいたりすると保安基準不適合とされる可能性があるため注意しましょう。
また、ヘッドライトカバーも同時に確認が必要です。ヘッドライトカバーが割れている場合、割れたところから光が漏れて光の量が減ってしまい危険とされます。ヘッドライトに傷がある場合も、光の明るさが弱まる可能性があるため保安基準不適合となってしまう場合があります。
ヘッドライトの保安基準はこちらの記事で詳細に説明していますので、ご覧ください。
「車検のヘッドライト検査とは?項目と検査通過のコツを紹介」
タイヤ
タイヤは車体を支える大切なパーツであるため、保安基準も細かく決められています。溝の深さや損傷、サイズ、取り付け方などある程度把握しておきましょう。
例えば、タイヤの溝は1.6mm以上の深さが必要です。溝が浅くなってしまった場合、ブレーキ性能や排水効果が落ち、走行に支障をきたす可能性があるためです。溝がすり減ったことを確認する際はスリップサインを確認しましょう。スリップサインは、タイヤの溝が浅くなり交換が必要であることの合図となります。
スタッドレスタイヤの場合はスリップサインがありませんが、代わりにプラットホームと呼ばれる印があり、タイヤの溝の深さが半分ほどになるとそのプラットホームが現れます。その状態では雪道の走行が危険とされています。
タイヤのスリップサインやプラットフォームについてはこちらの記事で詳細に解説していますので、ご覧ください。
「車検に合格するタイヤの溝の深さは?計測方法や摩耗を防ぐコツを解説」
また、タイヤとホイールに損傷があるまま走行をしても違法とされます。タイヤのヒビは走行中のバーストにつながる危険性があります。
タイヤのサイズに関しては厳密なルールがありませんが、走行に支障が出るサイズ変更をすると車検に通らない可能性もあるので最低限の注意は必要です。
タイヤの取り付け方は、フェンダーからのはみ出しが車体から10mm未満であれば適合とされています。ホイールは前30°・後ろ50°がフェンダー内に収まっていない場合は保安基準不適合となるので注意しましょう。
タイヤのはみ出しは、2017年の保安基準改正により基準が以前と変更になった内容もあります。変更内容はこちらの記事で詳細に解説していますので、ご覧ください。
「車検に通るタイヤの基準とは?検査合格やはみ出しの基準を解説 」
座席
座席も走行時の運転手や同乗者を守る大切なパーツです。走行時の安全性が確保されているかどうかが保安基準となります。
例えば、スポーツ走行の際に使用されるバケットシートを取り付けている方は保安基準不適合となる可能性があります。高速運転をする際に体をしっかり支えたりドライビングポジションを作ったりするのに役立つバケットシートには、背もたれが倒れないものと、背もたれが倒れるセミバケットシートの2種類あります。セミバケットシートの場合は保安基準適合ステッカーがついているものを使用していれば問題ありませんが、バケットシートの場合は取り付けている車両のタイプによっては保安基準不適合となってしまいます。
2ドアや3ドアの車の場合、背もたれが倒せないバケットシートの場合だと、後部座席に乗車している方のスムーズな乗り降りが確保されず、危険と判断されるためです。
4ドアの場合はバケットシートが倒せなくても後部座席の方の乗り降りに問題はないと判断されます。
また、上記を満たしていた場合でも、シートの裏側がやわらかい素材で包まれていない場合は保安基準不適合となる可能性があります。シートの裏側には硬い素材が使われており、急ブレーキ時にぶつかって怪我をする可能性があるためです。シートバックプロテクターをつけておくことで防ぐことができます。
なお、バケットシートを取り付けるときには専用のシートレールが必要となり、シートレールも保安基準適合品を使用することが必須です。
方向指示器
方向指示器は、点滅しない、ヒビが入っているなどといった不具合が生じている場合に保安基準不適合となります。方向指示器が点滅しない場合は、単に球切れの可能性もありますが、交換した際の接触不良が原因となっていることもありますし、バッテリー不良の可能性もあります。走り始めのタイミングで方向指示器が点滅せず、その後走行しているうちに正常に点滅するようになった、といった現象が起きた場合には、バッテリー不良を疑ってみてください。
不具合以外にも、色がオレンジ系でなかったり、ウインカーの点滅回数、取り付け位置が規定に沿っていないと保安基準不適合となる可能性があります。
ウィンカーの取り付け位置に関する基準はこちらの記事で解説していますので、ご覧ください。
「車検に通る車高の最低地上高の基準は?測り方、車検時のポイントを解説」
警音器
警音器は頻繁に使用するものではなく、不具合を確かめにくいパーツです。保安基準では以下のような点が定められています。
- 音の大きさや音色が一定
- 警報音発生装置の音が連続する
- 前方7メートルの位置で聞いた時に112db以下87db以上の音量
警音器の音色を変化させている車もみられますが、保安基準不適合とされます。
パーツの取り付け方
車のパーツを自分で付け替える場合、適合品を使用していたとしても、規定の取り付け方や取り付ける位置を守っていないと保安基準不適合となってしまう可能性があります。特にエアロパーツやサスペンションは取り付け方の規定を満たしておらず保安基準不適合となってしまうことが多くあるため注意しましょう。また車を改造する場合は、軽微な改造を除き構造変更届の申請をしなければ法律違反となります。
3.保安基準適合証とは
保安基準適合証とは、運輸支局の指定自動車整備事業者の認可を受けた指定工場の保安基準に適合していると判断された場合に発行される書類です。一般的には車検業者が運輸支局に提出する書類とされており、車検を依頼している方が目にすることは多くはありません。
また保安基準適合証は有効期限があり、発行後15日間となっています。車検業者によって発行から運輸支局への提出まで行われることがほとんどなので心配はいりませんが、もしも保安基準適合証の有効期限が切れた状態で公道を走行した場合は法律違反となります。
4.保安基準適合標章とは
保安基準適合証と同時に発行される書類で、車検合格後に車検証が発行されるまで使用します。通常は、車検が終了した時点で指定工場にて車のフロントガラスに貼られます。フロントガラスに提示がない状態で公道を走行した場合には法律違反となり、50万円以下の罰金が科せられる場合があるため注意が必要です。また、保安基準適合証と同様に発行から15日間の有効期限があります。有効期限が切れるまでに検査標章と張り替える必要があります。
5.まとめ
保安基準とは車検の検査基準で、車の安全な走行や環境保全のために細かく基準が設けられています。車検時に保安基準が保安基準不適合とみなされる項目が一つでもあると車検に通らないため注意が必要です。
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